【働き方】研究職派遣はどのような働き方か、そのメリットとデメリット

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こんにちは。ハケンです。

 

研究職に就きたいけど、大手企業は高倍率で内定を獲得するのは難しい。

博士採用全部落ちた。ポスドクのような茨の道はちょっとね。。。

 

研究職「派遣」と聞くとネガティブな印象。

 

生活できるの?
ルーチンワークをひたすらするだけ?
派遣先って選べるの?
本当に派遣先への直接雇用はあるの?
将来を考えたときに、果たして派遣という選択はどうなの?

 

このような疑問を持つ、修士課程、博士課程の学生さん、アカデミアのポスドクや任期付助教さんに向けた記事でございます。
 

実際に、研究職派遣会社の派遣社員という立場から、お答えいたします。
 

本記事の内容

  • 研究職派遣の雇用形態 ー常用型と登録型ー
  • 研究職派遣のメリット・デメリット

 

研究職キャリアの選択肢が1つ増えます。
 

 

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研究職派遣の雇用形態 ー常用型と登録型ー

「派遣」には、大きくこちらの2種類があります。

  • 登録型派遣
  • 常用型派遣(無期雇用型とか正社員型などとも言われます。)

 

結論、常用型派遣であれば十分生活できます。
 

 

それぞれ、企業、研究機関に派遣されるのは同じなのですが、雇用形態や待遇が異なります。
 

一般的な企業の正社員の待遇と比較してみると、下の表のようになります。
研究職派遣の待遇比較表
 

登録型派遣

一般的な「派遣」の雇用形態です。
派遣先で就業期間中のみ派遣会社と雇用契約を結ぶ働き方です。
ご自身のライフスタイルに合わせて希望する時間や期間で仕事を選ぶことができます。
 

登録型派遣をオススメの方

理系出身の主婦さんで、出産育児がひと段落した方や、子育てしながらフレキシブルに働きたいという方にオススメです。
 

収入や待遇が、常用型よりも劣っていることが現状です。

とはいえ、同一労働同一賃金の導入による、各派遣会社の待遇決定方式に注目が必要です。
 

 

常用型派遣

派遣会社に正社員として入社し、派遣先の企業や大学等に派遣される雇用形態です。
 

派遣先契約が打ち切りになる時期を見据えて、派遣会社が次の派遣先を提案してくれるので無職になることはありません。
 

万一、次の案件がなくても、派遣会社内で他の業務に従事させてくれる会社が多いので、収入が途絶えることはありません。
 

ただ、研究職と技術職においては、人手不足の時代なので、このような状況は滅多になく、スムーズに次の派遣先に異動できます。
 

 

常用型派遣の収入

登録型と異なり、派遣会社の正社員であるため、固定給です。

派遣会社によりますが、新卒の年収は300万~400万円と、一般的な企業より少し少なめですが、福利厚生は一般的な企業の正社員とほとんど同じです。
 

贅沢はできませんが、人並みの生活は十分可能ですし、残業が多い派遣先の場合は、その分残業代が加算されます。
 

 

常用型派遣をオススメの方

  • 学部〜博士問わず、新卒
  • 派遣でスキルを上げたい方
  • 正社員からの転職者
  • 元ポスドク、元助教

 

一般的にフルタイムです。
したがって、登録型派遣と比べると、派遣を雇う企業や大学は、それなりのスキルを要求し、責任のある仕事を与えてくださる傾向にあります。
まずはスキルを身につけるべき新卒の方や、スキルを身につけたい方にはお勧めします。
 

 

元正社員、元ポスドク、元助教
結論、経験豊富なことが大きな付加価値になります。
 

正社員→ポスドク→派遣というキャリアの方について、お一人に紹介します。
 

ある大学のラボの中で、50代の派遣さんの下に学生がつくことになりました。
すると「あの方の下につけるとか贅沢すぎる!!」と、周りから羨望の眼差しでした。
 

ぶっちゃけ、その辺の先生よりも尊敬されます。

 

 

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研究職派遣のメリット・デメリット


仕事内容と給与面を心配される方が多いかと思います。

一般的な企業の正社員と比較した、常用型派遣のメリット・デメリットを紹介します。

 

ただし、仕事に対する価値観、「やりがい」「キャリアの見通し」「給与」「プライベートの充実」など何に重きをおくのか、また「安定」とは何かという定義づけによって、読者様のメリットとデメリットが変わってくることをご留意ください。
 

研究職派遣のメリット

  • 予算が豊富な部署・大学で研究できる。
  • 数年のうちに様々な分野、業界で研究開発に参加できる。
  • 契約で就業時間が決められているので、プライベートな時間を設けやすい。
  • 企業正社員に転職する際に、それほどお金と時間を割かなくて良い。

 

 

予算が豊富な部署・大学で研究

研究職派遣を雇う給与コストは、正社員以上にかかります。

そのため、企業内で予算を多く獲得している部署(花形部署や、新しいプロジェクトを立ち上げた部署など)や、大学や公的機関であれば大型予算を獲得した研究室など、最先端の研究を進めているところが研究職派遣を雇える傾向にあります。
 

 

数年のうちに様々な分野、業界で研究開発に参加できる。

契約期間が短い場合、そのような職場を数年ずつ任務完了ごとに異動することも可能なので、数年のうちに様々な分野業界で経験を積むことができます。
 

 

プライベートな時間を設けやすい。

特に大学や公的機関で言えば、ポスドクや助教のように、お盆や正月も実験する必要はありません。
仕事内容と責任のバランスがいい感じです。
 

また、職場に長くいることが正義、みたいな同調圧力も「契約なので」の一言で何処吹く風といった感じです。
 

その分、定時に帰って、家族との時間や、スキルアップの時間を設けることができます。

 

 

転職にそれほどお金と時間を割かなくて良い。

転職コストを下げれる点について、個人的には最大のメリットだと考えています。
 

多くの研究職人材派遣会社は、転職事業も展開しています。
 

派遣会社が、ご自身のスキルや希望するキャリアを予め知っているので、転職の際は会社を通じて進めるのが効率的です。
 

 

とはいえ、転職という選択は慎重になった方が良いかもしれません。

下記のような情勢を背景に、各企業の雇用に対する考え方が激変しています。

  • 働き方改革法への対応
  • リストラ時代の到来
  • 追い打ちをかけるCOVID-19の流行

 

「スキル・経験を持った研究職派遣のほうが、雇用継続面で実は安定」だったりするので、現時点で研究職派遣の方は自身の価値を守るためにも、今は転職はしない方がいいと思います。
 

 

研究職派遣のデメリット

  • ルーチンワークで研究者としてのスキル向上が望めない場合がある。
  • 研究・実験以外のスキルを身につける機会が少ない場合がある。
  • 30代半ばで給与が頭打ちになる。

 

 

仕事内容について

仕事内容のデメリットについては、すべての派遣先で当てはまるというわけではありません。
 

派遣にどのような仕事を任せるか、という企業や部署の考え方にも依存します。
また、派遣を始めた時点で、スキルレベルとマッチした案件があるかどうか、タイミングの問題もあります。
 

確かに、企業の品質管理に派遣されたり、マネジメントスキルの乏しいポスドクの下に派遣されたりすると、ルーチンワークのみを任され、「研究者」としてのスキルやそれ以外のビジネススキルを身につけられない場合が多いです。
 

私を例に述べると、かつて技術員をしていた派遣先では、分野の知識が乏しく、スキルも少しずれていたため、プロトコールに沿って実験を進めるだけに止まっていました。
 

しかしながら、現職場では、共同研究先への開発立案やそのマネジメント、企業役員や中央省庁の方に対するプレゼンなども任せていただいています。
 

 

運に依存する要素が大きいですが、より良い派遣先を派遣会社から紹介いただくために、自身のスキルを向上させつつ、派遣会社の営業さんに自身を売り込み、相談することも大切になってきます。
 

 

給与について

研究職派遣には役職(研究チームリーダーや助教など)がないため、年収が30代半ばで頭打ちとなるのが現状です。
 

しかしながら、働き方改革法に伴い、今後派遣の給与が上昇していくのかどうか、注目事項の一つです。
 

また、年功序列や終身雇用といった働き方自体が見直されつつある昨今を考えると、派遣という働き方は伸びていくような気もします。
 

いずれにしても、常に、自身の人材価値を高めるためにスキルアップを欠かさないことが、仕事を得ていくための前提となります。

希少な実験スキルを持っていたり、対外折衝能力が高かったりすると、お時給がつり上がるのも事実です(派遣会社に引き抜かれますが。。。)。
 

メリットにも挙げたように、研究職派遣はプライベートな時間を設けやすいので、この時間を有効活用して正社員以上にスキルを上げましょう。
 

 

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